押し入れの奥から出てきた「捨てられない物」3つ|59歳が下した最終判断

断捨離・整理

押し入れの奥に、見覚えのない箱があった。

断捨離を始めてしばらく経った頃、奥の奥まで手を伸ばしたら木箱の感触があった。引き出してみると、蓋にほこりが積もっている。開けると、手紙の束、子どもが幼稚園のころに作った工作、そして父が遺した古い腕時計が入っていた。

書類や家電の取扱説明書を捨てるのは難しくなかった。でも、この箱の前では手が止まった。「いつか捨てよう」と思いながら、何年も見て見ぬふりをしてきたものが、ここにあった。

この記事では、私が実際に向き合った「捨てられない物」3つと、それぞれに下した最終判断を正直に書きます。捨てたものも、残したものも、どちらもあります。


なぜ「捨てられない物」が生まれるのか

断捨離を進めていると、どうしても手が止まるものが出てきます。私なりに考えた3つの理由です。

理由①:物に「思い出」が宿っていると感じるから

手紙や写真は、それ自体に記憶が結びついています。「捨てる=思い出を消す」ような感覚になる。でも実際は、思い出は自分の中にあって、物が消えても記憶は消えません。このことに気づくのに、私はずいぶん時間がかかりました。

理由②:「罪悪感」があるから

もらった手紙、亡くなった父の遺品……それを捨てることへの後ろめたさがある。「大切にしなかった人間」と思われそうな、妙な恥ずかしさもある。

理由③:「後悔するかもしれない」という不安

捨てた後で後悔したら? その一念で手が止まる。でも正直に言うと、捨てた書類や家電で後悔したことは一度もありませんでした。思い出の品だけは、少し違いましたが。


押し入れの奥から出てきた「捨てられない物」3つ

① 30年前の手紙の束(恋文・両親からの手紙)

箱の中には、2種類の手紙が混在していました。ひとつは若い頃の恋文。もうひとつは、今は亡き両親からの手紙です。

恋文については、正直に言うと、読み返して少し恥ずかしくなりました。若い頃の自分の言葉や感情が、生々しく残っている。今の妻との生活を送りながら、これをずっと置いておくことへの違和感もありました。

両親からの手紙は別です。遠くに就職した息子を気遣う文章、定期的に送ってきた短い近況報告……。父は10年以上前に亡くなり、母も高齢になった今、この手紙は取り返しのつかない一次資料です。

最終判断:恋文は処分。両親からの手紙は全て保存。

迷ったときの基準として、「10年後の自分が読んで、後悔しないか?」と自問するのが効きました。

② 子どもが幼稚園で作った工作・絵

段ボールに入っていたのは、子どもが幼稚園と小学校低学年の頃に作った工作や絵でした。紙粘土で作ったコップ、父の日に描いてくれた似顔絵、なぐり書きのような絵日記。

子どもはすでに独立して遠くに住んでいます。これらを「親が大切に保管している」ということ自体、親の勝手な感情かもしれない。でも手放せない。

やってよかったのは、処分する前に子どもに連絡したことです。「幼い頃の工作があるけど、手元に欲しいものはあるか?」と写真を送ったら、「似顔絵だけ欲しい」という返事が来ました。本人が望むものは本人に渡し、残りは写真に撮ってから処分しました。

最終判断:本人が欲しいものは渡す。それ以外は写真で記録してから処分。

③ 父が遺した古い腕時計

父が生前に使っていた腕時計が1本、箱の中に入っていました。もう30年以上前のもので、電池も切れており、文字盤も少し傷んでいます。

これが一番難しかった。使えない。でも捨てられない。

「形見の品だから」という理由で取っておいたものの、引き出しの奥でずっと眠っていた。それが「大切にしている」ことになるのか、と自分に問いかけてみました。

いくつかの選択肢を考えました。

  • 修理して使う
  • 時計店で供養してもらう
  • 身内で形見分けをする
  • 写真を撮って手放す

最終的に、修理して実際に使うことにしました。修理に出して動くようになった時計を手首につけると、不思議と父を身近に感じました。「しまっておくより、使うほうが大切にしている」という気がしました。

最終判断:修理して日常使いに。「使う」ことが最大の敬意だと判断した。


思い出の品を手放す3つの方法

全て残すことが正解でも、全て捨てることが正解でもありません。私が実際に試した3つの方法を紹介します。

方法①:写真に撮ってから手放す

物を手放す前に写真を撮っておくと、「記録は残った」という安心感があります。子どもの工作、古い年賀状など、かさばる物に向いています。写真はデジタルで保存しておけば場所も取りません。

方法②:家族に確認してから判断する

自分ひとりで決めようとすると迷います。子どもや兄弟に「いるか?」と声をかけてみると、思いがけず「欲しい」という返事があることも。逆に「いらない」と言われることで、潔く手放せることもありました。

方法③:感謝の気持ちを持って手放す

「ありがとう、お役目終わり」と声に出すのは、少し照れくさいですが効果がありました。物に感謝を伝えてから手放すと、罪悪感が薄れます。宗教的な話ではなく、自分の気持ちを整理するための儀式として。


妻との価値観の違いをどう乗り越えたか

実は、この箱を開けたとき、妻は「さっさと全部捨ててしまえばいい」という意見でした。

私には捨てられないものが多く、妻はすっきり派。このギャップが、断捨離中に何度か小さな摩擦になりました。

最終的に決めたルールは、「自分のものは自分が判断する。相手のものには口を出さない」でした。思い出の品は特に、持ち主が自分のペースで向き合うべきものです。急かされると判断がおかしくなる。妻もそれは理解してくれました。


まとめ表|捨てられない物3つ 最終判断一覧

物の種類悩んだ理由最終判断判断の基準
手紙の束(恋文・両親)思い出・罪悪感恋文→処分、両親→保存10年後の自分が後悔しないか?
子どもの工作・絵手放すことへの後ろめたさ写真撮影後に処分(本人希望分は渡す)本人に確認してから判断
父の腕時計使えないが捨てられない修理して日常使いに「使う」ことが最大の敬意

まとめ

「捨てられない物」に向き合うことは、自分の過去と向き合うことでもありました。うまく整理できたものも、まだ迷っているものもあります。完璧に手放す必要はない。自分が納得できる判断ができれば、それで十分です。

今日できることは、押し入れの奥の箱を一つ引っ張り出してみること。中身と向き合う時間は、悪くないものです。


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執筆者:なおじ
1967年生まれ、大分県北部在住。製造業41年・工程管理歴30年。59歳で定年・再雇用を目前に控え、年金・NISA・保険の見直しを自分で進めてきた経験をもとにブログを書いています。


【免責事項】 本記事は個人の体験談に基づく情報です。思い出の品は一度処分すると取り戻すことができません。処分の際は家族との十分な相談と、ご自身が納得できる判断の上で行ってください。

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