工場のホワイトボードを思い出した。
製造ラインの工程表、各作業の標準時間、今日の進捗と計画の差異……。30年間、毎日このボードと向き合ってきた。何時に何をやるか、どこがボトルネックになっているか、どうすれば計画通りに進むか。これを考えることが仕事でした。
ある日、健康習慣をなかなか続けられない自分を眺めていて、ふと思いました。「これ、工程管理が下手な工場と同じ状態じゃないか」と。
計画がなく、進捗が見えず、問題の原因を分析していない。だから続かない。
59歳になった今、製造業で30年かけて身につけた「工程管理の発想」を健康習慣に応用しています。続かなかった習慣が続くようになった、その経緯を正直に紹介します。
なぜ健康習慣は続かないのか(製造業視点での原因分析)
健康習慣が続かない理由は、製造現場の問題と構造が似ています。
原因①:標準時間が決まっていない
製造現場では「この作業は何分かかるか」を先に決めます。標準時間がないと、計画が立てられない。健康習慣も同じで、「何時に、何分やるか」が曖昧なまま始めると、「今日は忙しいから」という理由で後回しになります。
原因②:進捗が見えていない
製造現場では、今日の目標と実績を毎日比較します。これをしないと問題に気づけない。健康習慣を「なんとなく続ける」だけでは、続いているのかどうかさえわかりません。
原因③:ボトルネックを特定していない
製造ラインでは、最も遅い工程がライン全体のスピードを決めます。健康習慣も、「続かない理由」を特定しないままでは改善できません。「なぜ散歩が続かなかったのか」を分解しないと、同じ失敗を繰り返します。
工程管理の3つの原則を健康習慣に応用する
① 「標準時間」を決める(健康習慣の見える化)
工程管理の最初のステップは、各作業の「標準時間」を決めることです。
健康習慣に応用すると、「何を、いつ、何分やるか」を先に決めることになります。
私の場合、朝の健康ルーティンをこう設定しました。
- 06:00 血圧測定(5分)
- 06:05 白湯を飲む(5分)
- 06:10 ストレッチ(5分)
- 06:15 朝食準備へ
これを書き出してみると、「朝の健康習慣全部で15分しかかからない」とわかります。「時間がない」という感覚は、多くの場合、実際の時間を把握していないことから生まれます。
標準時間を決めると、「やるかやらないか」ではなく「この時間にやる」に変わります。これが継続の第一歩です。
② 「進捗管理」を可視化する(記録の習慣)
製造現場では、計画と実績のギャップを毎日記録します。
健康習慣に応用すると、「できた日」「できなかった日」を記録することです。
私が使っているのは、シンプルなノートです。1ページを1ヶ月分として、毎日の欄に○×△をつけるだけ。
- ○:できた
- △:部分的にできた
- ×:できなかった
正直に言うと、×が続くと「なぜできなかったか」を書き込む欄を設けました。「雨が降っていた」「前日が遅かった」「体調が優れなかった」という記録が積み重なると、自分のパターンが見えてきます。
翌月の計画を立てるとき、このパターンを参考にします。「雨の日は散歩の代わりに室内運動にする」という代替案が生まれたのも、記録から気づいたことでした。
③ 「ボトルネック」を特定する(続かない理由を分解)
製造現場では「なぜ遅れたのか」を「なぜなぜ分析」で掘り下げます。
健康習慣に応用すると、「なぜ続かなかったか」を一段深く考えることです。
例えば「朝の散歩が続かない」という問題を分解してみます。
- なぜ散歩できなかった? → 「起きるのが遅くなった」
- なぜ起きるのが遅くなった? → 「前日夜に長くテレビを見た」
- なぜ長くテレビを見た? → 「消すタイミングを決めていなかった」
ここまで掘り下げると、解決策は「テレビを消す時間を決める」になります。散歩そのものの問題ではなく、前日夜の習慣がボトルネックだったわけです。
実際にやってみた3つの応用例
① 朝の散歩を「ライン作業」として組み込む
工場のライン作業は、毎日同じ時間に同じ手順で行います。「今日はやる気があるからやる」ではなく、「この時間はこれをやる」という設計です。
散歩を「06:30〜07:00の定時作業」と設定してから、「今日は気分が乗らないから」という言い訳が出にくくなりました。習慣は「やる気」で動かすのではなく「設計」で動かす。これは工場で学んだことです。
② 健康記録を「日報」として書く
製造現場では毎日「日報」を書きます。今日の生産数、問題点、明日の予定。
これを健康版日報として書くようにしました。A5のノートに1日1ページ、こんな内容を書きます。
- 血圧の数値(朝)
- 歩数
- 食事の大まかな内容(塩分が多かったかどうか)
- 体調メモ
書くのに5分もかかりません。でも、続けると「先月より調子がいい」「この時期は数値が高くなる傾向がある」という気づきが生まれます。
③ 月1回の「振り返り会議」を自分で開く
製造現場では月次の「振り返り会議」があります。先月の実績を振り返り、来月の改善策を決める。
これを健康習慣に応用して、月の最終日曜日に「自分振り返り会議」を15分やっています。
見直す内容:
- 先月の○×△の集計
- ×になった日のパターン
- 来月に改善する1点
来月に改善する点は「1点だけ」に絞ります。あれもこれも改善しようとすると、結局何も変わらない。工程改善の現場と同じです。
失敗から学んだ3つのこと
工程管理の発想を健康習慣に応用しても、最初から上手くいったわけではありません。
失敗①:計画を詰め込みすぎた
最初に「理想の一日」を設計したとき、6時から夜まで健康習慣をびっしり並べました。これは3日で崩れました。製造現場でも、余裕のない計画はトラブルが起きた瞬間に破綻します。「余白」が必要です。
失敗②:記録を完璧にしようとした
日報を凝ったフォーマットで作ったら、書くのが面倒になって続きませんでした。シンプルな○×△のみに絞ってから、途切れなくなりました。
失敗③:「計画通り」にこだわりすぎた
体調が悪い日も「計画通りにやらなければ」と無理をしたことがありました。工程管理では計画変更の柔軟性も必要です。「今日は体調が悪いから代替案」と判断できる柔軟さが、長続きの鍵でした。
まとめ表|工程管理の3原則と健康習慣への応用
| 工程管理の原則 | 健康習慣への応用 | 実践方法 |
|---|---|---|
| 標準時間を決める | 何を・いつ・何分やるか先に設計 | 朝のルーティンを時刻と分数で書き出す |
| 進捗を可視化する | 毎日の○×△記録と理由の記入 | シンプルなノートに書く |
| ボトルネックを特定する | 続かない理由を1段深く掘り下げる | 「なぜなぜ」で原因を追う |
まとめ
健康習慣を続けることは、意志の強さの問題ではないと思っています。設計の問題です。
製造業の工程管理で学んだ「標準時間・進捗管理・ボトルネック分析」の3つは、健康習慣にそのまま応用できます。完璧にやろうとしなくていい。まず「今週の朝のルーティンを15分で設計する」から始めてみてください。
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執筆者:なおじ
1967年生まれ、大分県北部在住。製造業41年・工程管理歴30年。59歳で定年・再雇用を目前に控え、年金・NISA・保険の見直しを自分で進めてきた経験をもとにブログを書いています。
【免責事項】 本記事は個人の体験談に基づく情報です。健康習慣は個人の体調・生活環境によって最適な方法が異なります。持病がある方や体調に不安がある方は、医師にご相談の上、無理のない範囲で実践してください。


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