👤 わが家の場合:再雇用で給料が半分になります
定年まであと1年。再雇用制度を使うと給料がおよそ半分になることを知ったとき、正直うろたえました。月収が大幅に減るなら、年金をもらいながら働けるのかどうか——「在職老齢年金」という制度を、自分ごととして調べ始めたのはそのときです。
製造業の現場で41年。数字を見ながら段取りを組む仕事をしてきたので、制度の仕組みを表やシミュレーションで整理するのは性に合っています。本記事は、同じように再雇用を控えたシニアが、自分の状況に当てはめて考えられるよう、実例ベースでまとめました。
👤 わが家の場合:定年後も働く前提で計算しています
私は60歳定年後も再雇用で働き続ける予定です。ねんきん定期便で確認したわが家の年金見込み額は夫婦合計で月約24万円。月30万円の生活費との差額6万円をNISAで補うのが基本戦略です。
2026年4月から在職老齢年金の基準が月50万円から65万円に引き上げられたことで、再雇用の給与と年金の組み合わせがしやすくなりました。
ただし、いくら減額されるのかは月収・年金額・賞与の有無で大きく変わります。本記事のシミュレーションを使いながら、ご自身のケースに当てはめてみてください。
「なぜ2026年4月に在職老齢年金が改正されたの?」「65万円という数字はどこから来たの?」——改正の背景と理由を知ることで、制度の本質が見えてきます。
この記事では、2026年4月改正の背景・理由・今後の方向性を図解でわかりやすく解説します。
📊 改正の全体像|ひと目でわかる図解
【改正前】〜2026年3月
在職老齢年金の壁:月50万円
→ 年金+給与が50万円超で減額
→ 「働くと損」と感じる人が多発
↓
【社会的背景】
・少子高齢化で労働力不足が深刻化
・65歳以上の就業意欲が高まっている
・「もっと働きたいのに損をする」矛盾
↓
【改正後】2026年4月〜
在職老齢年金の壁:月65万円に引上げ
→ より多くの人が年金全額+給与を受取可能に
→ 働く高齢者を後押し
① 改正が必要だった3つの理由
理由1|少子高齢化による労働力不足
| 指標 | データ |
|---|---|
| 65歳以上の就業者数 | 約914万人(2023年)過去最多 |
| 65〜69歳の就業率 | 約52%(2人に1人が働いている) |
| 2040年の労働力不足(推計) | 約1,100万人不足 |
💡 高齢者が働きたくても「年金が減る」という制度的な壁が就労意欲を妨げていたのが問題でした。
理由2|「働き損」問題の解消
| 改正前の問題 | 具体例 |
|---|---|
| 月収+年金が50万円を超えると減額 | 給与30万円+年金25万円→5万円減額 |
| 「あと少し働くと損」という逆インセンティブ | 残業や昇給を避ける行動が発生 |
| 制度の複雑さによる混乱 | 「計算が難しくてわからない」という声 |
理由3|年金財政の持続可能性
高齢者が働き続けることで得られる効果
- 厚生年金保険料の納付が続く → 年金財政に貢献
- 税収・社会保険料収入が増える → 国の財政改善
- 消費が維持される → 経済の活性化
② 改正前後の比較
| 項目 | 改正前(〜2026年3月) | 改正後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| 支給停止基準額 | 月50万円 | 月65万円 |
| 恩恵を受ける人数(推計) | — | 約50万人が減額解消 |
| 月収40万円+年金15万円 | 5万円減額 | 減額なし |
| 月収50万円+年金15万円 | 7.5万円減額 | 減額なし |
👉 詳しい減額シミュレーションは在職老齢年金シミュレーション10例をご覧ください。
③ 65万円という数字の根拠
💡 なぜ「65万円」なのか?
- 標準的な会社員の給与水準の上昇に合わせた水準
- 65歳以上の平均的な年金額(約15万円)+現役並み給与(約50万円)を想定
- 厚生労働省の審議会で段階的引上げの一環として決定
- 将来的には廃止も視野に入った議論が続いている
④ 今後の見通し|廃止論も浮上
| 時期 | 動向 |
|---|---|
| 2026年4月 | 支給停止基準額を月65万円に引上げ(今回の改正) |
| 今後の議論 | 在職老齢年金制度の廃止論も審議会で議論中 |
| 廃止された場合 | 年収に関わらず年金が全額支給される |
| 廃止の課題 | 年金財政への影響・高所得者優遇との批判 |
⚠️ 制度は今後も変わる可能性あり
在職老齢年金制度は継続的に見直しが議論されています。最新情報は日本年金機構のサイトや厚生労働省の発表を確認してください。
⑤ 改正の恩恵を受けるのはどんな人?
| 対象者 | 改正の効果 |
|---|---|
| 月収30〜50万円で働く65歳以上 | 年金減額がなくなり手取りが増える |
| 年金額が高い人(月20万円以上) | 壁が上がった分、より働きやすくなる |
| 再雇用でフルタイム勤務の人 | 給与を抑える必要がなくなる |
| 管理職・専門職で高収入の人 | 年金減額リスクが下がる |
👉 自分が損するケースを確認したい方は損する人・盲点チェックもあわせてご覧ください。
✅ まとめ
- 改正の背景は少子高齢化・労働力不足・働き損問題の解消
- 基準額が月50万円→65万円に引上げで約50万人が恩恵
- 65万円は平均年金+現役並み給与を想定した水準
- 将来的には制度廃止の議論も進んでいる
- 制度は変わり続けるので最新情報のチェックが重要
👉 改正の詳細と働き方戦略は【完全ガイド】2026年4月 在職老齢年金65万円の壁で総まとめしています。
📚 年金改正2026 シリーズ記事
- 【完全ガイド】2026年4月 在職老齢年金65万円の壁
- 月収別・年金別 早見表
- 繰下げ vs 働く フローチャート
- 損する人・盲点チェック
- 60代後半の税金・社会保険チャート
- iDeCo併用で最大45万円得する方法
- 定年後の働き方4パターン比較
- 在職老齢年金の手続き完全マニュアル
- シミュレーション10例
- 月収30万円の実例計算
- 2026年改正の背景・理由を図解 ← 今ここ
【完全ガイド】2026年4月 在職老齢年金65万円改正|全解説を読む →
⚠️ 免責事項
本記事は2026年4月時点の制度に基づく情報提供です。年金制度は法改正により変更される可能性があります。
実際の年金額・支給停止額は個人の加入状況により異なります。正確な情報は日本年金機構または年金事務所にご確認ください。
執筆者:なおじ
1967年生まれ、大分県北部在住。製造業41年・工程管理歴30年。59歳で定年・再雇用を目前に控え、年金・NISA・保険の見直しを自分で進めてきた経験をもとにブログを書いています。


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