湿布を貼って、安静にして、ネットで調べて——それだけでは何も解決しなかった。
朝起きたら、膝が痛かった
ある朝、ベッドから立ち上がろうとしたとき、右膝に鈍い痛みを感じた。
前日に何か特別なことをしたわけではない。長距離を歩いたわけでも、運動したわけでもない。ただ、朝起きたら痛かった。
最初は「寝方が悪かったのかな」くらいに思っていた。でもその日の夕方になっても痛みは消えず、翌朝も同じように膝がこわばって、立ち上がる瞬間に痛みが走った。
59歳の体というのは、こういう形で変化を知らせてくるのだな——そう思いながら、しばらく様子を見ることにした。
最初の3週間:湿布・安静・ネット検索・我慢
とりあえず、近くのドラッグストアで湿布を買ってきた。
若いころから「体の不調=まず湿布」という習慣があった。実際、腰が痛いときも湿布で2〜3日すれば治ってきた経験がある。だから今回も「湿布を貼って安静にしていれば治るだろう」と思っていた。
痛みが強い日は市販の痛み止めも飲んだ。なるべく膝に負担をかけないように、階段は避けて、長く歩くことも控えた。
それでも、1週間経っても痛みはなくならなかった。
ネットで調べたら余計に怖くなった
1週間様子を見ても改善しないので、スマホで「膝 朝 痛い 59歳」と検索してみた。
これが失敗だった。
出てくるのは「変形性膝関節症」「半月板損傷」「軟骨のすり減り」といった言葉ばかりだ。「放置すると歩けなくなる」「手術が必要になるケースも」という記述まで目に入った。
読めば読むほど不安になった。「もしかして自分は取り返しのつかないことになっているんじゃないか」「いや、でも歩けているし大げさかもしれない」と、頭の中でぐるぐると同じことを繰り返した。
結局ネット検索では答えは出なかった。不安だけが増えた。
「やっぱり病院に行こう」と決めた理由
受診を決めたのは、3週間が経ったころだった。
きっかけは妻の一言だ。「毎朝痛そうにしてるじゃない。さっさと病院に行けば」と言われた。言われてみれば確かにそうで、朝の立ち上がりがつらいのは毎日のことになっていた。
「大げさだったら恥ずかしい」「忙しいし、またにしよう」「でも悪化したら嫌だ」——この3週間、ずっとそのループだった。妻に言われて初めて、「我慢することに意味はない」と気づいた。
整形外科でやったこと・言われたこと
近所の整形外科に予約を入れた。
受付で症状を書く問診票に「朝起きたときに右膝が痛い、3週間続いている」と書いた。待合室には同じような年代の方が多く、少しほっとした。
診察室に入ると、まずレントゲンを撮った。膝の曲げ伸ばしをして、痛みが出る動きを確認された。先生は膝を手で触りながら「ここが痛いですか?」と聞いてきた。
所要時間は全部で40分ほどだった。
診断は「軽い炎症、様子見で大丈夫」だった
レントゲンの結果は、骨には異常なし。診断は「軽い炎症。今すぐ特別な治療が必要な状態ではない」というものだった。
正直、拍子抜けした。3週間あれだけ不安になっていたのに、「様子見で大丈夫です」の一言で終わった。
先生から言われたのは3つだ。
① 湿布は続けてよいが、貼りっぱなしにしない ずっと貼り続けると皮膚が荒れる。痛みがあるときだけ使い、1日数時間を目安に。
② 安静にしすぎない 痛みがない範囲で、軽いウォーキングや膝周りの筋肉を鍛えることが大事。完全に動かさないと筋力が落ちて、逆に膝への負担が増える。
③ サポーターで膝を安定させるのは有効 歩くときや階段を使うときに膝サポーターを使うと、膝関節への負担が軽くなる。
「3週間で骨に影響は出ていないので、今来たのは正解のタイミングです」と言われた。その言葉が一番ほっとした。
病院に行く前にやっておけばよかったこと
受診して思ったのは、「もっと早く来ればよかった」という後悔だ。
3週間、湿布と安静と不安だけで過ごしたが、何も解決しなかった。病院に行ったら40分で答えが出た。「軽い炎症」という事実がわかっただけで、あれだけ続いた不安がほぼ消えた。
ネット検索は「最悪のケース」を見せることが多い。59歳の膝の痛みを検索すると変形性膝関節症の情報が並ぶが、それは「そういう可能性もある」という情報であって、自分に当てはまるとは限らない。自分の状態は、医師に診てもらって初めてわかる。
「大げさかも」と思っても、2週間以上続く痛みは受診する。 これが今回学んだことだ。
今も続けていること・使っているもの
受診から2ヶ月が経った。今は次のことを続けている。
朝のストレッチ(5分) 先生に教えてもらった膝周りの筋肉をほぐす体操。仰向けで足を伸ばしたまま太ももを締める動きを繰り返すだけ。地味だが、朝の「こわばり感」が明らかに減った。
ウォーキング(週3〜4回、30分) 「安静にしすぎない」という指示通り、無理のない範囲で歩くようにした。膝の痛みを気にしながら歩くのは最初少し怖かったが、今は普通に歩けている。
膝サポーターを使うようにした 長く歩くときや階段が多い日は、膝サポーターをつけるようにした。つけ始めてから「膝が安定している感覚」があり、痛みが出にくくなった気がする。
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同世代に伝えたいこと
59歳になって気づいたのは、体の不調に「我慢」はあまり意味がないということだ。
若いころは多少の痛みなら放っておけば治った。でも50代後半になると、放置して自然に治るものと、放置すると悪化するものの判断が自分ではつきにくくなってくる。
ネットで調べると不安だけが膨らむ。病院に行けば40分で現状がわかる。
「大げさかも」でいい。「忙しいから」は理由にならない。2週間以上続く体の痛みは、さっさと専門家に診てもらった方が、精神的にも体的にもずっと楽になる。
私はその判断を3週間遅らせた。次は遅らせないようにしたいと思っている。
この記事は個人の体験をもとに書いています。症状や診断は人によって異なります。体の痛みが続く場合は、必ず医療機関を受診してください。


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