食器棚を開けるたびに、気が重かった。
何年もそのままにしてきた。取り出しにくい食器、重なりすぎて下が見えない鍋蓋、「いつか使う」と思いながら5年以上触っていない来客用のグラス。毎朝コーヒーカップを取り出すだけでも、なんとなく憂鬱な気持ちになっていた。
片付けようと思ったのは、物置整理がひと段落したのがきっかけだった。「物置はすっきりしたのに、毎日使うキッチンはなぜこんなに気が重いのか」と気づいてしまったのだ。
片付ける前の食器棚の状態
食器棚は3段構成で、正直なところ何が入っているか把握できていなかった。
上段には来客用のグラスと普段使いの湯呑みが混在。中段には毎日使う茶碗・皿・カップ類が重ねて入っていたが、下のほうにあるものを取り出そうとすると上が崩れる。下段には鍋や保存容器が詰め込まれていて、鍋蓋はバラバラに立てかけた状態だった。
「どこに何があるか」が私にしかわからない状態で、夫が何かを探すたびに「あれどこ?」と聞いてくる。そのたびに説明するのも地味にストレスだった。
引き出しの中も似たような状態で、菜箸・しゃもじ・泡立て器・計量スプーンがごちゃ混ぜになっていた。毎回必要なものをかき分けて探していた。
まず「使っていないものを出す」から始めた
片付けの最初の作業は、収納グッズを買うことではなく、使っていないものを出すことだ。前回の物置整理で学んだことを、今回はキッチンでも実践した。
食器棚から全部出してみると、いくつかのことが判明した。
来客用として置いていたグラス6客のうち、ここ5年で使ったのは2回だけ。それもほとんど同じグラスしか使っていなかった。残りの4客は「捨てるのがもったいない」だけで残っていた。
もらいものの皿が何枚かあったが、デザインが好みでなく使っていなかった。「いつか使う」は来なかった。
保存容器は大小合わせて20個以上あったが、実際によく使うのは7〜8個だった。残りは「なんとなく捨てられない」だけだった。
使わないものを出してみると、食器棚のスペースに余裕が生まれた。そこで初めて「収納を整える」ステップに入った。
仕切りケースを使って変えたこと
食器棚の引き出しと中段の整理に、仕切り・仕分けケースを使った。
これが想像以上に効果的だった。
引き出しの中に仕切りケースを並べて、菜箸・しゃもじ・計量スプーン・ピーラーをそれぞれ区画に分けた。それだけで、ごちゃ混ぜだった引き出しが「一目で全部見える」状態になった。
探し物がなくなった。使ったものを戻す場所が決まったので、「とりあえずここに入れておく」ができなくなった。
中段の皿も、仕切りを使ってカテゴリ別に区画を分けた。「毎日使う皿」「週に数回使う皿」「来客時だけ使う皿」に分けて配置したら、毎日の出し入れがとにかく楽になった。
片付け後に変わったこと
食器棚を開けても、気が重くならなくなった。
これだけのことなのだが、毎日のことなので積み重なると大きい。朝の準備が少し気持ちよくなった。夫も「どこに何があるかわかる」と言うようになり、「あれどこ?」と聞かれることがほぼなくなった。
夫婦で共有できる収納になったのが、一番の変化かもしれない。私が入院したり外出したりしても、夫が自分でキッチンを使えるようになった。高齢になっていくことを考えると、これは意外と大事なことだと感じた。
引き出しの中も、毎日使うものだけが取り出しやすい場所にある状態になった。「探す」という行動がほぼなくなった。
今回使った仕切りグッズはこちら
引き出し・棚の整理に使った仕切り・仕分けケースは、楽天ROOMにまとめています。サイズ違いで何種類か使っているので、棚の幅に合わせて選んでみてください。
※購入前に必ず引き出しや棚の内寸(幅・奥行き・高さ)を測ってからサイズを選ぶことをおすすめします。
まとめ
- キッチンの片付けは「まず使わないものを出す」が先
- 収納グッズを買うのはものを減らした後
- 仕切りケースで「区画を決める」だけで探し物がなくなる
- 夫婦で共有できる収納にすると、毎日の小さなストレスが消える
- 食器棚を開けるたびに気が重いなら、それは片付けのサイン
キッチンは毎日必ず使う場所だ。ここの気持ちよさは、暮らし全体のテンションに意外と直結している。59歳になって、ようやくそのことを実感している。
著者:なおじ(59歳) 59歳で本格的に暮らしの整理を始めたシニア。定年を前に、夫婦ふたりの暮らしをシンプルに整え直している。物置・食器棚・クローゼットと、少しずつ家じゅうを片付け中。実体験をもとにした「等身大の暮らし術」を発信しています。
※この記事は筆者の個人的な体験に基づいています。片付けの効果には個人差があります。収納グッズを購入の際は、ご自身の棚・引き出しのサイズを必ず事前にご確認ください。
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