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60歳前にやってよかった「固定費の見直し」|59歳が実感した「一度やれば続く節約」

2. 老後のお金

「もっと早くやっておけばよかった」

固定費を全部見直し終えたとき、率直にそう思った。59歳の春、定年まで1年を切ったタイミングで、生まれて初めて自分の固定費を全部書き出した。電気代、スマホ代、各種保険、サブスク、新聞——ひとつずつ書き出していくと、1枚のA4用紙がびっしり埋まった。それを合計してみると、月に約8万円が毎月自動的に消えていた。「これ、全部本当に必要なのか」と思ったのが、見直しを始めたきっかけだ。

なぜ60歳前にやるべきなのか

固定費の見直しは「一度やればずっと効く節約」だ。食費を毎日切り詰めるような継続的な努力は必要ない。一度変えると、あとは自動的に安い状態が続く。定年を前にしたこのタイミングにやるべき理由が3つある。

理由1:収入が減る前に支出の土台を整える
再雇用になると給与が半分前後になることが多い。再雇用で給料が半分になった月|気持ちの整理と、実際にやったことに書いたが、収入が減ってから慌てて節約するより、収入があるうちに支出を整えておくほうが精神的にも楽だ。

理由2:時間的な余裕があるうちに動く
現役中は仕事も忙しく、「いつか調べよう」が続く。定年前のこの時期、あと1年のうちに固定費の棚卸しをしておくことをおすすめしたい。

理由3:老後の毎月の支出が変わる
年金生活に入ったとき、毎月の固定費がどれだけあるかで生活の安心感が変わる。定年後の生活費が年260万円足りない|59歳が実際の数字で直面した現実にまとめたように、固定費を下げることが老後資金の不足を補う現実的な手段になる。

実際にどんな固定費を見直したか

私が見直した項目を、具体的な数字とともに書く。

①スマホ代(ソフトバンク → LINEMO) 月額:約8,000円 → 約2,000円(差額:約6,000円)
10年以上ソフトバンクを使い続けていた。乗り換えに躊躇していたが、機種代を一括で清算してLINEMOへ乗り換えた。手続きはオンラインで完結し、2時間もかからなかった。

②電気代(大手電力会社 → 新電力) 月額:約12,000円 → 約9,500円(差額:約2,500円)
電力自由化以降もずっと同じ電力会社を使っていた。比較サイトで試算したら月2,500円の差。切り替えに不安があったが、実際には手続きも簡単で電気の品質も変わらなかった。

③保険の整理(複数の保険を見直し) 月額:約26,000円 → 約19,200円(差額:約6,800円)
子どもが独立したタイミングで、死亡保障の必要性が大きく変わっていた。ファイナンシャルプランナーに相談して生命保険の保障額を見直した。

④サブスクの整理 月額:約3,500円 → 約800円(差額:約2,700円)
動画サービス3つ、音楽配信1つに入っていたが、実際に使っているのは動画1つだけだった。使っていないものを全部確認して解約した。

⑤新聞の電子化 月額:約4,000円 → 約1,500円(差額:約2,500円)
紙の新聞をデジタル版に切り替えた。内容は変わらず、コストが下がった。

合計するとどれだけ変わったか

項目見直し前見直し後削減額(月)
スマホ代8,000円2,000円6,000円
電気代12,000円9,500円2,500円
保険料26,000円19,200円6,800円
サブスク3,500円800円2,700円
新聞4,000円1,500円2,500円
合計53,500円33,000円20,500円

月20,500円の削減。年間246,000円。「こんなに削れるとは思わなかった」というのが本音だ。ガマンした節約は一切していない。使っていないものを整理し、同じサービスをもっと安く使えるものに変えただけだ。

見直しで「削ってよかった」と「削らなくてよかった」

削ってよかったと感じたもの:使っていなかったサブスク、必要以上に大きかった死亡保障、惰性で続けていた紙の新聞。削らなくてよかった(あるいは慎重に判断した)もの:がん保険と医療保険、自動車保険。削ることが目的ではなく、「今の自分の生活に合っているか」を確認することが本来の目的だ。

固定費見直しの効果は老後まで続く

月20,500円の削減が毎月続くとすると、年間246,000円。これが10年続けば246万円になる。老後の資金不足を補う手段として、固定費の削減はこれほど長期的に効く。「節約」というと食費を切り詰めるイメージがあるが、固定費の見直しは一度やれば毎月自動的に効果が続く。どちらが楽かは明らかだ。

定年が近いからこそ、今のうちに固定費の棚卸しをしておくことをおすすめしたい。収入がある今のうちに整えておけば、収入が減ってからも慌てずに済む。固定費の見直しは「老後の準備」の中で、最も即効性があって、続けやすい対策だと実感している。

固定費の見直しを通じて、もうひとつ気づいたことがある。「なんとなく払い続けている」という状態がいかに多かったか、ということだ。スマホも電気も保険も、最初に契約したときは「これが一番いい」と思って選んだはずだ。でも10年・20年経てば、もっと良い選択肢が出ている。市場は変わり、自分の生活も変わっている。それなのに、見直しをしないまま同じものを払い続けていた。「なんとなく」の積み重ねが、年間で数十万円のロスになっていた。

今回の見直しで感じたのは、「調べてみれば必ず選択肢がある」ということだ。スマホも電気も保険も、比較サービスを使えば30分もあれば選択肢が出てくる。あとはその中から自分に合うものを選ぶだけだ。「なんとなく」をやめて、「ちゃんと選ぶ」に変えることが、定年後の家計を守る第一歩だと今は思っている。定年まで残り少ない時間で、今からでも十分に間に合う。

固定費の見直しに踏み切れない理由として「手続きが面倒」「時間がない」「失敗が怖い」という声をよく聞く。実際にやってみると、スマホの乗り換えはオンラインで完結し、電気の切り替えは申し込み後は何もしなくていい。保険の見直しは無料のFP相談を使えばプロが一緒に考えてくれる。「面倒」と思っていたことのほとんどは、調べてみると思ったより簡単だった。サブスクの整理に至っては、アプリを開いてボタンを押すだけだ。

最初の一歩として、まず自分の銀行口座やクレジットカードの引き落とし明細を1ヶ月分だけ確認してほしい。「これ、何のお金だっけ」と思うものが必ずひとつは見つかるはずだ。そこから始めるだけでいい。固定費の見直しは、知識も特別なスキルも必要ない。必要なのは「一度ちゃんと見てみよう」という気持ちだけだ。

固定費を見直し始めてから、家計に対する意識が変わった。以前は「お金が足りない」という漠然とした不安があった。今は「どこを変えればどれだけ変わるか」が具体的に見えるようになった。数字で把握できると、不安が小さくなる。定年後の家計管理に向けて、今のうちから数字と向き合う習慣をつけておくことが大切だと感じている。

まとめ

59歳で固定費を全部見直した結果、月2万円以上が手元に残るようになった。難しいことは何もしていない。使っていないものをやめ、同じ内容をより安く手に入れる方法に変えただけだ。一度整理してしまえば、あとは自動的に安い状態が続く。食費を毎日気にするより、こういう「一度やれば続く節約」を先にやるほうが、コスパがいい。定年前の今が、一番動きやすいタイミングだと思っている。

スマホの乗り換え詳細は59歳が一括払いで機種代を清算してキャリアを変えた話に書いた。電気代の見直しについては電気代、「言われるがまま」になっていませんか?を参考にしてほしい。

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