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59歳の私が気づいた再雇用の落とし穴|社会保険で手取りがこんなに減る

2. 老後のお金

定年が近づいてきたころ、私は再雇用を「続けるだけ」のことだと思っていた。

特別なことをするわけでも、どこかへ転職するわけでもない。今の会社にそのまま残る。ただそれだけのことだと。給与が下がることはわかっていたし、生活を少し引き締めればなんとかなると思っていた。

甘かった。本当に、甘かった。


額面56万円が26万円になる、ということ

現役のとき、私の月の額面は56万円だった。健康保険・厚生年金・所得税・住民税が引かれて、手取りはおよそ42万円ほど。長く働いてきた実感が、その数字にはあった。

再雇用後の提示額は26万円。最初に聞いたとき、「まあそんなものか」と思った。半分以下になることは覚悟していたし、「月26万ももらえるなら生活できる」と、なんとなくそう計算していた。

でも、「26万もらえる」と「26万から引かれる」は、まったく別の話だ。

試算してみると、こうなった。

控除項目金額(月額)
健康保険料約13,000円
厚生年金保険料約23,800円
雇用保険料約1,600円
所得税約4,000円
住民税約20,000〜25,000円
合計約62,000〜67,000円
手取り約193,000〜198,000円

約19〜20万円。これが、額面26万円の現実だった。

現役時代と比べると、手取りで22万円以上の差になる。「給与が下がった分だけ生活費を減らせばいい」という私の読みは、根本から外れていた。


住民税の「時差」に気づいていなかった

特に見落としていたのが、住民税の仕組みだった。

住民税は「前の年の所得」をもとに計算される。つまり再雇用になって給与が大幅に下がっても、最初の1年間は現役時代の高い所得に対して課税された住民税が、そのまま引かれ続ける。

給料は下がっているのに、税金は去年の給料で計算される。

この仕組みを、私はちゃんと理解していなかった。頭のどこかで「収入が減れば税金も減る」という単純な計算をしていたのだと思う。実際には、収入が減った年の翌年まで、その影響は出てこない。

再雇用1年目は、手取りがさらに少なくなる可能性がある。これは、定年前に必ず知っておいてほしいことのひとつだ。

こういう「見えないコスト」を、定年前に整理しておくために、私は家計ノートをつけ始めた。毎月の収支を書き出すだけで、頭の中がずいぶん整理される。

📓 私が使っている家計ノートはこちら


健康保険・厚生年金の重さ、改めて気づいた

現役のころ、社会保険料は「当たり前に引かれるもの」として意識していなかった。給与明細を見ても、手取りの欄だけを見ていた。控除の内訳を、真剣に読んだことがなかった。

再雇用後の試算をして、初めてじっくり向き合った。

健康保険と厚生年金だけで、毎月3万6千円以上が引かれる。額面26万円の、7人に1人分以上が社会保険料として消えていく計算だ。

「それくらい知っていた」という人もいると思う。でも「知っている」と「手取りの数字として目の前に並べてみる」は違う。私は並べてみて、初めてその重さを実感した。


「他の道もあったのか」と、今でも考える

正直に書く。私には再雇用以外の選択肢が、ほぼなかった。

手に職があるわけでも、独立できるスキルがあるわけでもない。長く会社員をやってきて、気づけば「会社がある」ことを前提に生きてきた。定年が近づいてから「転職しよう」「フリーになろう」と思っても、現実はそう簡単ではなかった。

だから再雇用を選んだ。正確に言えば、選ばざるを得なかった。

今から思えば、50代のうちにもっと真剣に考えておけばよかった。給与が下がることではなく、「その後の自分が何で稼ぐか」を。会社員としての収入だけに頼り続けることの、リスクを。

再雇用の給与試算をしながら、そんなことを考えた。


今、ブログを書いている理由

だから今、こうして書いている。

ブログが稼げるかどうか、正直まだわからない。うまくいく保証もない。でも「何もしないより、動いてみる」という気持ちだけは本物だ。手取り19万円という現実を前にして、じっとしているよりは動いていたい。

うまくいくかどうかよりも、動いているかどうかの方が、今の自分には大事な気がしている。

50代後半で、手に職もなく、再雇用の1択しかなかった自分が言えることは多くない。でも、同じような立場の人に、この数字を見てほしいとは思う。「こんなに引かれるんだ」と、定年前に一度でも知っておいてほしい。

驚くなら、明細を見てからより、先に計算してみてからの方がずっといい。

今は毎月の収支を手帳に書き出すことを習慣にしている。頭で不安を抱えていても何も変わらない。書き出すと、少しだけ現実と向き合える気がする。

📓 収支の「見える化」に使っている手帳はこちら


まとめ|定年前に一度だけやってほしいこと

再雇用を選ぶ前に、手取りの試算を一度やってみてほしい

額面ではなく、健康保険・厚生年金・住民税・所得税を引いた後の金額を。それが毎月の生活費をまかなえるかどうかを、定年前に確認する。計算するだけでいい。それだけで、心の準備がまったく変わる。

私は59歳になってから気づいた。遅くはないが、もう少し早くてもよかった。

再雇用は「続けるだけ」ではなかった。収入の仕組みが変わる、という話だった。それをもっと早く、真剣に考えておけばよかったと、今は思っている。


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